佛教大学学長 伊藤 真宏

 同窓の皆さま、日頃から佛教大学にお心がけをいただきありがとうございます。
2021 年の学長就任以来、本学設立母体である浄土宗を開かれた法然上人の「還愚(げん ぐ)」の考えを一つの柱にして大学を運営しております。
還愚とは、自分のすべてを認め、その自分ができることを携えて着実に未来に歩んでいく ことであり、自分を見つめることで自分を理解し、その時その時、自分にできることを考え 行なっていくことを、学生にも教職員にも働きかけています。
新型コロナウィルス感染症で翻弄されたこの間、本学は学びを止めない姿勢を保ち、誰も 取り残さないことを念頭にコロナ禍であってもできることやその時精一杯の様々な施策を 講じてまいりました。世の中は、政府の方針もあってポストコロナへと移っており京都は海 外からの観光客でコロナ禍以前に戻っているようにも感じます。
本学はこの 4 月から、新型コロナ感染症拡大防止のために制定した活動基準による運用 を停止しました。学生も教職員もそれぞれに感染対策には留意しつつ、キャンパスは新入生 と在学生でにぎわいを取り戻しています。
コロナ禍は私たちの社会のデジタル化を進展させました。同時に人と出会うことや直接 体験することの重要性も教えてくれました。鷹陵祭に合わせて開催するホームカミングデ ーは同窓の皆さまが直接大学へ帰ってきていただき、学生時代に思いを馳せ、変わりつつあ る大学をお楽しみいただく機会といたしておりますが、コロナ禍では入構を制限せざるを 得ませんでした。そういった中でもなんとかホームカミングデーを開催できる方法がない か、その時できることを模索し、ユーチューブでの同時映像配信をご覧いただくことで開催 しました。実際の会場の人影はまばらで、賑わいという雰囲気ではありませんが、距離や時 間の制約によってこれまで実際に足を運ぶことが難しかった方にも現在の大学の様子や懐 かしい先生のお姿を見ていただくことができるといった、いい面ももたらせてくれました。
佛教大学はこれからも、今、私たちにできることを考え、学生が安心して学ぶことができ ることを第一に、歩んでまいります。また本学は世の中の変化や状況に柔軟に対応し、選ば れる大学、行きたい大学、薦めたい大学として持続可能な大学を目指しています。そのため には同窓の皆さまのお力なしには実現することができません。本学を卒業された皆さまの 社会におけるご活躍とご支援こそがそれを実現してくれるものと思います。なにとぞ母校 へのお力添えをお願い申し上げます。
ホームカミングデーはもちろん、いつでも新しくなった佛教大学へお帰りいただくこと を、教職員一同心よりお待ち申し上げています。