Vol.14 文学部 英米学科 持留 浩二 先生(もちどめ こうじ)

 

持留浩二

もちどめ こうじ

文学部英米学科准教授
 ※職名は取材当時のもの

プロフィール

1970年奈良県生まれ。佛教大学文学部英文学科卒、同大学院文学研究科修士課程修了、同博士後期課程単位取得満期退学。佛教大学非常勤講師、龍谷大学非常勤講師などを経て、2008年4月から現職。主な著書・論文に『改定新版 翻訳
入門-英日編-』(共著、大阪教育図書刊)、「サリンジャーの作品における語り手の信用性―シーモアの変容」、「サリンジャーの作品における編集について」など。

Profile Picture

私のライフワークは、コミュニティーづくり。 みんなに「もちコン」に参加してほしい。

―まず、学生時代の思い出や教員になられたきっかけをお聞かせください。

 公募推薦で入試を受け、社会学部社会学科と文学部英文学科に合格。英語に興味があったので、英文学科を選びました。実は、高校時代にほとんど勉強しなかったので、1回生の10月に思い立って勉強を始めました。
 大学時代は友達と遊ぶこともなく、親が心配するほどひたすら勉強に打ち込みました。だから大学時代の友達はほとんどいませんし、思い出もこれといってないんです。その頃の夢は米国留学でした。TOEFLでいいスコアを取るため、必死で勉強しました。
 ところが、ゼミの三留修教授から「将来のキャリアにつなげたいなら大学院進学がいい」とアドバイスを受けて進路を方向転換。大学院に進んでから友達と食事や旅行をして、ようやくキャンパスライフの楽しみを知りました。
 私が興味があるのは、人間とはいったい何なのかということです。それを心理学や認知科学を使って文学を解明することで見出したいと考え、研究者の道を選びました。

―准教授になり今年でちょうど10年目。同窓生にまつわるエピソードをご紹介ください。

私は学生にあれこれ指示するのが苦手。学生が相談に来ると、悩みや相談の聞き役に徹しています。学生たちは自分で考えて、進むべき道を見つけていきますし、私はその方がいいと考えています。
 そんな私ですが、学生たちはみんな私のことを「もっちー」とニックネームで親しみを込めて呼んでくれます。ゼミは毎年10人を超える規模になりますが、多くても希望する学生はみんな受け入れています。
 忘れられない学生はたくさんいます。私とは全く逆の男子学生がいました。4年間徹底的にいろんなところに出かけて、見聞を広め、友人をつくり、情報収集を怠らず、今は小学校の教員をやっています。私自身は学生時代勉強一筋でしたので、最初は少し否定的に見ていたのですが、彼には目から鱗でいろいろ教えられました。
 もう一人は、城西大学英語スピーチコンテストで優勝した男子学生です。英語はペラペラ、プレゼン力もトップレベルで、ピカ一の学生でした。人づき合いもうまいし、コミュニケーション能力も高い。「こいつには負けたな」と思いましたね。この春卒業して、今は東京でIT企業に勤めています。ゼミに彼がいなくなって本当に寂しいですね。

―最後に近況報告と同窓生に対するメッセージをお願いします。

 研究者としては、文学から心理学や認知科学に還元するこれまでとは逆のアプローチで、人間一般にあてはまる真理や知恵が見つからないかと考え、研究を進めています。
 また、昨年まで10年近く国際交流センター運営委員を務めていたのですが、海外からの留学生と在学生のための交流の場として、3年前から2カ月に1回、1号館の留学生プラザで自由に集まり、英語でおしゃべりする「インターナショナルカフェ」を開催してきました。運営委員を辞めた後も私の研究室で毎週木曜日に同様の趣旨の集まりを開催しています。
 実は、私のライフワークは、佛教大学のコミュニティーづくりなんです。これまでに2回、「もちコン」というイベントを開催し、OB・OGを中心に50人ほどが集まっています。SNSなどもうまく使いながら、これからも継続開催していきたい。「ぜひもちコンに参加してください」というメッセージを同窓生の皆さんに発信したいですね。