Vol.13 保健医療技術学部 理学療法学科 坂口 光晴(さかぐち みつはる)

 

坂口 光晴

さかぐち みつはる

保健医療技術学部理学療法学科准教授
 ※職名は取材当時のもの

プロフィール

1953年愛知県生まれ。高知リハビリテーション学院卒、浜松大学大学院経営学研
究科修了、熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程退学。理学療法士とし
て東京都立養育院附属病院などに勤務、はまなこ病院リハビリテーション部長、常葉
学園医療専門学校教務部長兼教頭、佛教大学保健医療技術学部準備室主任を
経て、2006年から現職。主な著書に「理学療法士プロフェッショナルガイド」(共著、
文光堂刊)、「理学療法学辞典」(分担執筆、医学書院刊)ほか。

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臨床では知識とさらに評価技術、治療技術が大切。 同窓生とぜひ、おいしいお酒が飲みたい。

―まず、経歴と佛教大学教員となられた経緯についてお聞かせください。

 私は愛知県に生まれ、地元の高校を卒業後、当時日本で少なかったリハビリテーション専門職である理学療法士養成校であった高知リハビリテーション学院に進学しました。卒業後は理学療法士として東京都立養育院附属病院、国立浜松医科大学附属病院等で臨床経験を積み、養成機関である常葉学園医療専門学校の設立に関わり、教務部長兼教頭として発足間もない時期の学校経営についても経験を積むことができました。
 佛教大学とのご縁は、高知リハビリテーション学院の恩師でもある中屋久長先生から「佛教大学に新しく保健医療技術学部ができるので手伝わないか」とお声をかけていただいたのがきっかけです。また常葉学園時代には、私自身がダブルスクールの学生と一緒に佛教大学通信教育課程で学んだご縁もありました。
 新学部発足の前年度に準備室に入り、設立に向けて理学療法士としての立場からお手伝いしました。

―ご自身はどんな先生でしょうか。また、同窓生とのエピソードをご紹介ください。

私は学生を指導する時に「頑張れ」という言葉は使わないようにしています。みんな一生懸命ですし、もう十分頑張っていますからね。これでもまだ足りないのかと思わせたら逆効果。代わりに「楽しくやりなさい」と言うことにしています。
 学生にとって臨床経験が豊富だと言うことが私のセールスポイントだと思います。臨床では知識と評価技術、そして治療技術が大切です。正確な評価で患者さんの機能障害を把握し、患者さんの機能障害の程度に合った治療をしないと回復を阻害してしまいます。知識だけでは患者さんの回復は望めません。
私は40年余りの臨床経験があります。現在も週1回、理学療法士として医療機関で理学療法に携わっています。講義では実際に学生相手に理学療法手技の実演を行います。みんな驚いたり、感心したりでそのインパクトを感じます。
 毎年学生を送り出しますが、講義中によくおしゃべりしていた女子学生が実習訪問先にいました。きちんと挨拶ができるし、後輩を指導しているんですね。社会人としても、治療者としても大きく成長した彼女を見て感激しました。また、大学在学中に不幸があった男子学生がいました。実は私も同じつらい思いを経験していて、「困ったら訪ねて来なさい」と声をかけていたのですが、卒業後ある会議で再会し、早々誘って一緒にお酒を飲みに行きました。彼も立派な理学療法士になってくれました。

―最後に近況報告と同窓生へのメッセージをお願いします。

私の専門領域は「痛みの治療」ですが、その研究のために1990年に始めた浜松リハビリテーション研究会の活動を今も活発に続けています。(詳しくはホームページをご覧ください。)静岡県と愛知県の理学療法士・作業療法士を中心に約150名の会員が年3日集まり、全国のトップレベルの理学療法士を招いた技術研修会を開催しています。地域の研究会ですが、学会も開き、国立国会図書館よりナンバーを指定され学術誌も発行しています。小さな研究会ですが、全国的にもきちんとしていると思います。
 私自身は相変わらず、火曜日に京都に来て、金曜日に浜松に戻る生活です。そのため、土・日・月曜日は不在です。卒業生とは同じ人間、理学療法士としてのお付き合いを大切にしたいので、お酒でも飲みたくなったら事前に連絡をください。私はお酒の雰囲気が大好きですので、少人数で楽しい話をしながら、ぜひおいしいお酒を飲みたいです。