Vol.4 社会福祉学部社会福祉学科准教授 所 めぐみ(ところ めぐみ)

 

所 めぐみ

ところ めぐみ

社会福祉学部社会福祉学科 准教授
 ※職名は取材当時のもの

プロフィール

愛知県名古屋市生まれ。同志社大学、同大学院修了後、ノッティンガム大学大学院、ヨーク大学大学院留学、社会福祉法人勤務、龍谷大学講師、本学講師を経て、現職。専門は、社会福祉方法論、地域福祉論。社会福祉士。社会の現場では、大阪府枚方市や滋賀県米原市等における地域福祉実践について精力的にフィールド研究に取り組んでおられます。また、学内では国際交流センターの宴会係(エンタテーメント)?として、さらに本学教職員互助会サークルのリコーダー・アンサンブル「エプキュド・コンチェルト」で活動されるなど、人間的に色々な「ひきだし」を備えておられます。

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野﨑先生からのメッセージ

所先生は何と言いましても、国際交流センターのエンターテインメント部門の責任者でございまして(笑)、留学生研修旅行のカラオケはあの人の独壇場に(笑)・・。社会福祉学部リコーダー・アンサンブル結成の経緯とか、いろいろ引き出して聞いて下さい。

2013年4月から1年間学外研修のためその任を解かれますが、これまで国際交流センターの3部門のうちの国際交流部門担当を務めて参りました。 国際交流センターの年間イベントの中に留学生研修旅行があります。毎年秋に行われ、名前は研修旅行と言っておりますけど(笑)、留学生の皆さんと1泊2日の旅行に行きます。留学生のみなさんと、国際交流センターの担当教員、国際交流課の職員の方々とで参りますが、おそらく野﨑センター長は、その旅行のことをおっしゃっているのではないかと推察いたします。(笑)

大抵は温泉に入れるようなところとその周辺に行きます。留学生の皆さんも浴衣を着て、みんなで日本的なお膳を囲んでの宴会をします。(笑) 毎年参加メンバーには変化がありますが、ずっと長く博士課程にご所属のみなさんの中には、毎年来てくださる方もいらっしゃいます。みなさん、芸達者なんですよね。留学生のみなさんに引き込まれるように、私ども教職員も、歌、踊りその他もろもろ、留学生のみなさんと一緒にみんなで盛り上がります(笑)。

教育・研究について

いま、取り組んでいる教育・研究は何ですか?

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社会福祉学の中ではソーシャルワークという、直接的に人と関わって社会福祉に関わる支援をしていく方法論とその教育について研究しています。特に、地域福祉といいますが、地域の中で誰もが安心して暮らしていくための課題や方法についての研究をしています。地域で安心して暮らしていくためにはどんなにサービスとか制度がそろっていても、いろいろな人と社会関係をもち、住民として、友人として、サービスの利用者として等、地域の中で役割を持ち、参加できるとか関係が持てるといった、お互いに支え合えるというようなところがないと、生きづらいですよね。つながりづくりとか、地域の活動にいろいろな人たちが参加するとか、自分たちが暮らす町をより良くして行くための住民、そして、「当事者」、行政や専門職らによるまちづくり、そういったことの方法論とか、実際に取り組む中でのいろいろな課題をどういうふうに地域の力で解決して行くのかというところについての研究をしています。私はその研究を、日本とイギリスとで行っています。
地域福祉は今申し上げましたように、専門職とかサービスだけで行うのではなくて、地域で、そこで暮らして働く人たちみんなが「当事者」になって進めて行くというところに面白さや魅力を感じて研究しています。日本とイギリスのそれぞれの特定の地域に長く関わることで制度・施策・実践方法に加え、それぞれの地域の「当事者」から知恵や力、文化を学び続けています。 そこで暮らす住民、そこで働く専門職、福祉のサービスを利用している人、それぞれ立場や立ち位置、視点は異なります。けれどもいろいろな人々と関わりながら、自分たちの地域・まちのために、まちを暮らしやすくするために、またまちやそこに暮らす人々の今だけでなく将来を考え活動する。実際にやってみて気づくこと、人と関わること、いっしょにやってみることで学べることがあります。それがその人自身の力になり、地域の力になっていくという、そういうところに実は私は一番関心を持っています。人が自分たちの暮らしや地域に関わることに、他の人々とともに実践して学んで、それをまた生かして、個人の力だけじゃなくて、地域の力にして行くみたいなところでは、狭い意味での社会福祉のとりくみだけではなく、地域を基盤とした生涯学習と接点があるというか、重なっていると私自身は思っています。それで、日本でもイギリスでも、そういう地域福祉というか、イギリスは地域福祉という表現はしないのですけれども、地域での住民や関係者らによる主体的なまちづくりの活動と、そこにおける生涯学習との接点みたいなところに焦点をあてて研究をしています。

枚方市や米原市に関しての経緯について…

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地域福祉の研究は、どうしても実践研究、つまりフィールド研究になるかと思います。地域の方々や専門職の方々との長いおつきあいと信頼関係に基づく研究です。これまで国内では近畿圏のいくつかの地域に入らせていただいておりますが、枚方市、米原市、それから東近江市というのは、その中でも、継続して関わり続けさせていただいている地域です。枚方市は十数年、米原市、東近江市は7,8年ぐらいになりますが、最初のきっかけは、それぞれの地域に社会福祉協議会という組織があるのですが、そこから誘われてということでした。その後、行政や専門職の方々、NPOの方々、何よりも住民の方々と様々な形で関わらせていただき学ばせて頂いております。地域の人たち自身が、自分たちの地域の福祉をどういうふうにして行こうか、どんな町にして行きたいかという、そのためにどんな取り組みが必要か。その中で自分たちの役割や専門職や行政の人たちと一緒にできることはなんだろうかというようなことを、地域福祉活動計画っていうのですけど、計画づくりに取り組むというようなときや、住民懇談会や講演会、研修会に最初は呼ばれて行って、それで終わらずずっと関わって来たというようなところがあります。「絵に描いた餅ではない計画」「計画づくりは実践そのもの」などといっておりますので、計画を策定しておわりということではないと思っています。

社会人が参加できるような、学会、研究会、イベント等があれば、教えていただきたいのですが?

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地域福祉学会という全国組織がありますけれど、この地方支部のようなものとして近畿圏で近畿地域福祉学会と
いうのを組織しているのですね。これは、社会福祉協議会など現場の方たちと一緒にこれまで運営してきたもので、
平成24年度には、12月に京都で大会をいたしました。 03
研究者だけでなく現場の方がたくさんご参加されました。近畿圏の方は参加しやすいかと思います。年に1回必ずおこなっていますよ。もちろん学会の全国大会もあり、次の全国大会(平成25年度)は大阪で6月に開催されます。それから社会福祉学会という学会があります。これも関西社会福祉学会という地方部会をもっており、最近本学が大会の開催会場になった時もありましたが、会員であれば社会人の現場で活躍されている方や、社会人で通学・通信教育課程の大学院等で学んでおられる方々も研究を発表し、他の実践者や研究者との交流を深められる機会があります。関西社会福祉学会では若手の研究者への研究支援とネットワークづくりをめざして院生・若手研究者の研究会も年に3回程度やっておりますのでそちらにも参加されるといいかと思います。
また本学では、福祉教育開発センターと社会福祉学部が年に1回シンポジウムを行っております。それ以外にもシンポジウムや講演会等を随時企画実施しておりますし、本学卒業生で保育や社会福祉現場で働いておられる方々をつなぐ会やイベントもあります。本学で社会福祉学を学んだみなさんからなる同窓ネットワークもありますので、そういったところへの参加はもちろんですが、社会人ならではのご経験、お知恵、つながりをいかして企画からご参加いただくというのもありではないでしょうか。

現代の学生気質について

いまの、学生気質を陸上の女子中・長距離部門の選手を通じて感じられたところを教えて頂きたいのですが…

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私は陸上部のみなさんとは、ゼミ等におられる方々としか直接の関わりはありませんが、ゼミにおられたということで大会の時に応援ビデオメッセージを送らせていただいたということはありました。社会福祉学科には何人か選手がおられますね。私のゼミにいた学生さんは、練習も勉強もしっかりするということを主体的にやっておられて、その姿から私も頑張るぞと励まされておりました。競技・練習に相当集中して打ち込まないといけないようで、その中で進路の事やその他、いろいろ悩んだり考えたりして、やはり何を大事にして行くのか、そのために今何をすべきか、大切な人達に相談もしつつですが、しっかり自己決定をしていかれる。そういう印象があります。
実は私、朝の出勤時間が早く、7時過ぎには来ているのですが、陸上部の学生たちが走っておられるのを見かけます。目があうとさわやかな挨拶です。彼女・彼らは、道端のごみ拾いもされていて、そういう姿をずっと見てきました。町の中でも見ている人は見ていますよね。だから、みなさんも応援してくださっていると思うのです。私も含めてね(笑)。陸上部のみなさんから学ぶことは多いですが、その他の学生さんからも学ぶことが多いですよ。すべて気づけているわけではないので、もっと発見したいです。学生さんそれぞれなので、学生気質を語るというところまではできませんが。
留学生の方が、あらゆる面で積極性があります。ただこれは、日本人と外国人ということじゃなくて、留学生だからという違いではないでしょうか。日本の学生も海外に出ると急にアグレッシブになりますね。

先生ご自身の近況について

先生自身のことをお聞き致しますが、最近何か、趣味、興味ということで、社会福祉学部リコーダーアンサンブル結成の経緯について

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これも野﨑先生からのメッセージによるご質問かと思いますが…まあ、趣味と言えるほどでもないのですが。2007年に佛大に参りましたときに同期で同じ学部に、芳野先生という先生が来られましてね。何かしようと言われまして、みんながやり易いことで、芳野先生がリコーダーを提案されました。やり易そうですが、本格的なのですよ。ソプラノ、アルト、さらにテノール、バスという感じでパートがありまして、リコーダーのサイズも大きくなっていくのです。 そして、教職員の互助会サークルに登録するために、まず学部で声をかけて、立ち上がりました。ほそぼそと練習をしていますが、発表の場、ステージがないと、燃えないのですよ。それで、卒業式の日に、学部の卒業パーティーで本学の学生さんのジャズクラブやその他の方々の前座として、アンサンブルを控えめに、控えめに行ってきました。(笑) また、年によりましては、社会福祉学部の卒業生が働いている施設に呼んでもらいまして、「学外招聘コンサート」っていって…(笑)、演奏させていただきました。 2012年度は本学開学100周年記念で、また教職員互助会も記念すべき年でした。互助会の年末の懇親会において、いつか何か発表できたらいいなというのを、「大きな声で」ささやいていたのですけれども、そこで発表の場を頂戴いたしまして、初めて学内の社会社福学部を超えたところでご披露が出来ました。その後職員の方々の「入部」もありました。

同窓生との交流について

同窓生の方からは、ホームページ経由やFacebookなどいろいろなSNSがあるのですが、交流をしておられますか?
私は、卒業生の方々とのコミュニケーションはメールとか電話ぐらいですが、メールがあったら「ちょっとしゃべる?」とか「ちょっと来る?」みたいなことになり、やはり直接会っての交流になります。卒業生同士は、なんらかの形で連絡を取り合っていて、毎年のゼミの中には必ずといっていいほど、「つないでくれる人」がいて、その人たちが私にもつないでくれているという感じで感謝しています。あと同窓生ということでは、最近は忙しくてあまりできていないのですが、研修や事例研究会などに呼ばれることがあります。そこで「実は佛大の卒業生なんです」という方々にお会いすることがよくあります。その後メール等で交流するようになったりして、大学での講義やゼミにゲストスピーカーとしてお招きしたこともありました。
卒業生のコンパとかありますか?
今年はありましたが、ゼミによりますね。よく開催される年度(ゼミ)とほとんどない年度がありますね。 前任校のゼミでもいまだに集まるときもありますし、何でしょうね。卒業後全く集まれていないゼミもあります。また、いわゆる卒業(卒論)ゼミじゃなくても、社会福祉学部の場合は実習のゼミがあり、3回生と4回生が一緒のゼミだったりします。あるゼミのときなんかは、この3、4回生の組み合わせがすごく上手くいきまして、卒業後も集まったり連絡とりあったりしています。異なる学年ですので、4回生が先に卒業しましたから、4回生が卒業するときは3回生が送りましたが、3回生が卒業するときは、もうすでに社会に出ている4回生が、お祝い会を開催してくれるわけです。

リレー教員の紹介とリレー教員へのメッセージをお願いします。

保健医療技術学部の漆葉 成彦先生
漆葉先生は、リコーダー・アンサンブル立ち上げ時からのメンバーです。非常に多趣味、多芸、博学。すごいのです。すべて極めつつも楽しみながらやっていらして、ああいう方を文化人っていうのだろうと思っています。笛だけじゃなくて、何種類あったかな?世界中のいろいろな国の楽器を演奏されます。ぜひ世の中にはいろいろ打ち込めること楽しめることがあるよということを語っていただきたいです。