令和8年4月
諦かに聴け、今汝が為に説かん
「細部に及ぶま てしっかりと聞きなさい、 これから君のために説こう。」
『無量寿経』巻上

現代語訳をするならばこのような表現になるでしょうか。このことばは、『無量寿経』 において釈尊が教えを説くに当たり、その発端として弟子の阿難に告げたものです。
法然上人は、膨大な数の経典の中から、阿弥陀仏の浄土に生まれる教えが説かれた経典として、『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の三つを浄土三部経としました。さらにこの三つの経典が説かれた順番も、①『血 量寿経』、②『観無量寿経』、③『阿弥陀経』としています。したがって、 『無量寿経』に出るこのことばは、まさしく浄土の教えが説かれるその最初のことばとして釈尊がかけたことばであるといえます。
四月、新年度が始まります。学生の皆さんには新たな授業の始まりです。特に新入生の皆さんには、新たな学生生活、高校までとは違った学びが始まります。新しい学期の始まり、どうか”諦かに聴”いてください。それぞれの授業は、聞くひと一人ひとりのために語られます。
(仏教学部准教授 市川 定敬)
『法然上人の絵物語』第九巻
(画:別科修了生 菊田水月)
第三段 水迎えと御筆立
九月八日に写経用の水が迎えられた。出家年数の低い僧達が比叡山横川まで登り、慈覚大師円仁が如法経で用いられたという根本の水を汲んで銅の瓶に入れて持ち帰った。そして十一日、御筆立(写経書き始め)が行われた。慈鎮和尚慈円と観性法橋は写経衆ではなかったが、元から如法経の最中であったということもあり、写経衆に加わった。法然 上人が啓白を申し述べ、行道と伽陀の後、十六人全員が着座 して同時に 筆を執って書写を始められた。
菊田 水月

