令和7年7月
紗に黄金 泥に蓮

「砂に黄金 泥に蓮」という言葉は、困難や苦しみの中でも希望を持ち続け、前向きに努力すれば、 必す良い結果が得られるという励ましの言葉であり、困難な状況の中でも大切なものや価値を見つけるこ とが できるという意味です。
この言葉の中で、砂に黄金を見つけることは、普通の砂の中に価値のある金を見つけるような ことです。つまり、苦しい状況の中でも、あきらめすに大切なものを見つけようという意味です。
また、泥に咲く蓮(れんげ)の花は、仏教の教えに出てくるものです。蓮の花は泥水の中から咲くので、泥が汚れているように見えても、蓮の花はきれいに咲きます。このことから、どんなに大変な状況でも、純粋さや美しさを保ちながら成長することを教えています。
人の一生には必す辛くて悲しい出来事や困難な時が訪れます。しかし、正直で誠実な心を持ち、周囲の環境に流されずに自分を大切にすることで、必す新たな一歩を踏み出せると信じたいですね。
(保健医療技術学部教授 浜崎 優子)
『法然上人の絵物語』第八巻
(画:別科修了生 菊田水月)
第一段 法然上人、暗夜に光を放つ
三味発得後の法然上人は、暗夜に灯火がなくても眼から光を放ち経典を読み、部屋の内外を自由自在に見ることができた。法蓮房信空はこ の様子を拝見し、隆寛律師もこれを信じ崇められた。
正信房湛空も、その姿を目の当たりにする。ある日の夕方には左右の目から光を放ち、またある夜更けには、身体全体が光輝いておられる法然上人のお姿を拝見した。その明るさは、まるでタ暮れの山に向かって沈む夕日を見るようであったという。
菊田 水月