令和3年8月

こころでみなくちゃ ものごとはよく見えないってことさ
かんじんなことは 目に見えないんだよ


サン=テグジュペリ『星の王子さま』 

サン=テグジュペリ作 Le Petit Prince(星の王子さま)の中の言葉です。今回改めて購入した文庫本は、サン=テグジュペリが描いたカバー装画が素敵でした。星の王子さまと彼が暮らしていた小さな星の様子が描かれています。カバー装画を見た瞬間、私は星の王子さまのファンタジーの世界に誘われたようです。
「こころでみなくちゃ ものごとはよく見えないってことさ かんじんなことは 目に見えないんだよ」、リンゴの木の下で、星の王子さまが出会ったキツネが話した言葉です。この一節に限らず、星の王子さまは示唆に満ちたことばであふれています。訳者の河野万里子さんは、「人生の折々にページを開いて、そのたびに新しい発見と、生きていく上での新しい力を得ることができるような。」そんな内容だと述べています。
星の王子さまを手にして、その世界に入った一人ひとりが自分の心で感じ取ることが大切で、自分以外の感想や解説はあまり重要ではない。というのが私の結論でした。
…あなたの いちばんたいせつなことはなんですか…
(保健医療技術学部教授 浜崎 優子)

「開経偈」
(画:別科修了生 菊田水月)(製作協力:京都教区浄土宗青年会)

 開経偈かいきょうげ
無上甚深微妙法むじょうじんじんみみょうほう     無上甚深微妙むじょうじんじんみみょうほうは、
百千万劫難遭遇ひゃくせんまんごうなんそうぐう    百千万劫ひゃくせんまんごうにもうことかたし。
我今見聞得受持生がこんけんもんとくじゅじ     今見聞いまけんもんし 受持じゅじすることをたり。
願解如来真実義がんげにょらいしんじつぎ     願わくは 如来にょらい真実義しんじつぎしたてまつらん。
【この開経偈かいきょうげの出典は、恵心僧都源信えしんそうずげんしんん作と云われる「読経用心」どっきょうようじんに見られますが、出典は不明です。いよいよ釈尊が説かれた経典にって徳を積むことの有り難きことを喜びつつ称えるのです。 懴悔偈さんげげ十念じゅうねんまでを序分じょぶん(序文)と云い、この開経偈かいきょうげからを、正宗分しょうじゅうぶん(本文)と云います。よってこのあとの釈尊が説いた経典をしっかりと頂戴したいものです。
(解説  宗門後継者養成道場長 稲岡 誓純)

前の記事

令和3年7月

次の記事

令和3年9月