令和2年4月

強情をなくし謙虚な態度で
時に応じて師のもとに行け


『スッタニパータ』ブッダのことば№326 

 自己の状況に応じて師をたずねて話を聞くように、との説示です。その話とは、仏道での真理に関することばです。我々の日常では自己の取り組みや生活に関することばと言えます。
実際、師とする人のもとへ行くのには妙な勇気がいるもの。しかし、師とする人や周囲の話を伺うことは、独りよがりにならないためにも必要なことです。言わば、そのまま強情を離れた姿となり、謙虚な態度ともなり得るのです。自分の言動を(自然に)正しく培うため、師のもとに行くことを手段として自分自身を求める実践なのです。出典において「戒いましめ」の一節、態度にまで言及している理由が分かります。
新年度が始まり、生活、仕事、人との交わりの中で新鮮な感覚を受けることの多い時期は、自分を知る絶好の時でもあります。周囲の声から現在の自分を知る中、大切なことは、これから先の崇高な姿の自己を求めること。互いに師として尊重しあえる仲間のことばも受けつつ。
(宗教教育センター実習指導講師 法澤 賢祐)

「我は咲くなり」 
(画:別科修了生 菊田水月)
「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」
武者小路実篤
この世に生まれるということは、限りある命を生きるということです。だからこそ、この与えられた命を精一杯生きていく。
ただ自然に、素直に、ありのままに、今を生きる。そこに、それぞれのかけがえのない「私」という、いのちの花が咲いてくれるのだと思います。                                                                   菊田水月

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