令和3年5月

歯が抜けて 初めて噛みしめる 親の恩

詠み人知らず 

 親孝行に関しては「してもしつくすことがないのが親孝行である」「親孝行、 したい時に親はなし」などと言われます。このことは親孝行に限ったことではありません。
私たちはいろいろな意味で一人で生きていくことはできません。 互いに助け合って生きていますから、他者からの無数の恩を受けています。しかし、そのことに気がっかないのが現実です。自分を育ててくれた親や、自分に学問や生きる道を教えてくれた先生や先輩・友人などに返しきれないほどの大きな恩があります。その恩をどのようにしたら返していけるのでしようか。
自分が現在の状況でいられることのありがたさに気づくことが第一歩です。そして直接、恩返しできれば良いのでしようが、すでにこの世にいなくて、返すことができない恩もあるでしようそのような恩があるならば、他者や次世代の子どもたちに対して恩を施していくことができます。報恩感謝の毎日を送りたいものです。
(教育学部教授 佐藤 和順)

「三宝礼」
(画:別科修了生 菊田水月)(製作協力:京都教区浄土宗青年会)

三宝礼さんぼうらい
一心敬礼いっしんきょうらい 十方法界常住仏じっぽうほうかいじょうぶ    一心いっしんうやまって十方法界常住じっぽうほうかいじょうじゅうほとけらいしたてまつる
一心敬礼いっしんきょうらい 十方法界常住法じっぽうほうかいじゅうじょうほう  一心いっしんうやまって十方法界常住じっぽうほうかいじょうじゅうほうらいしたてまつる
一心敬礼いっしんきょうらい 十方法界常住僧じっぽうほうかいしょうしゅうそう  一心いっしんうやまって十方法界常住じっぽうほうかいじょうじゅうそうらいしたてまつる
【この「三宝礼」の偈文の出典は、慈雲尊者遵式の『往生浄土懺願儀にあります。真心を捧げて、仏教の基本である仏(仏様)・法(仏様の教え)・僧(仏道に励む人々) の三宝に対して合掌・礼拝を捧げます。】
(解説 宗門後継者養成道場長 稲岡誓純)

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