令和5年8月
喜びの生じたものには 脳みが起こる
『ブッダ神々との対話ーサンユッタ・ニカーヤ Ⅰ』
感情の連鎖が 断たれた状態、とらわれから解放された状態について、釈尊は語りました。「悩みの生じた者には、喜びが起こる。喜びの生じたものには、悩みが起こる 。修行僧は、喜ぶこともなく、悩むこともない。友よ。このように知れ」と。
我 々には、常に喜怒哀楽 喜び・怒り ・哀しみ・楽しみや、苦楽があります。 日常生活は感情の連続や連鎖で、生きることと感情は一体です。
一方で、時間の経過によって、楽しかったことが懐かしさで哀しみとなり、逆に苦しかったことを楽しく語れることもー感情とは、並行的で包括的で複合的なも のとも言え、複雑で難解です。
油断すると、実体無き自分の感情に自分が支配されることもーだからこそ、我々は自分の感情を適切にコ ントロールする必要があるのです これを説く仏教思想は、自分づくりのための知見や見極め方が入っている宝箱なのです。
(宗教教育センター実習指導講師 法澤 賢祐)
『法然上人の絵物語』第四巻
(画:別科修了生 菊田水月)
第三段 奈良に蔵俊僧都を訪ねる
清凉寺を後にした法然上人は奈良へ 下り、法相宗の大家、蔵俊僧都を訪ねました。蔵俊僧都は明障子を開けて、縁に座っていた法然上人を部屋の中へ招き入れました。法談を取り交わすうちに法然上人の学才に敬服した蔵俊僧都は、自分の実名を書いた名簿三字)を法然上人に差し出して弟子となることを申し出たのです。
菊田 水月