令和5年11月

笑うことは、最も簡単な成功法


斎藤茂太『いい言葉は、いい人生をつくる』   

 標記の言葉が収められている「いい言葉は、いい人生をつくる」の著者は、精神科医の斎藤茂太先生です。ご存じの方も多いと思います。
 斎藤先生 は父である斎藤茂吉さん(歌人)が苦虫をかみつぶしたような顔つきだ ったことから自分はできるだけニコニコ顔でいこうと決意したと語っています。そして、顔で笑って心で泣いているうちに、心まで笑ってくると いう経験を毎日のように重ねてきたそうです。
 二〇一五年の日経新聞に、人間は笑うとたとえそれが作り笑顔でも、脳のドーパミン系の神経活動が活発になって快の感情が 引き起こされストレスが軽減するという記事があります。身体的にも、良い遺伝子のスイッチをオンにすると言われ、食後血糖値の急上昇を抑えたり、免疫に関連するNK (ナチュラルキラー)細胞が適正な状態に落ち着いたりするそうです。
 斎藤先生は、著書の中で、心理学者ウィリアム・ジェームスの「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という言葉を引用して、”笑顔作り”を意識することの大切さを語っています。まずは、笑顔を作って みましよう。何かが変わるかもしれません。

(保健医療技術学部教授 浜崎 優子)

『法然上人絵物語』第四巻
(画:別科修了生 菊田水月)

第六段 仁和寺の御室より招かれるも、辞退
 法然上人の評判は世間に広く知れ渡っていました。ある日、仁和寺の御室が、慶雅法橋から法然上人の凡庸ならぬ器量について話を聞き、法然上人を御所に呼び、天台宗について教えてほしいと頼まれます。しかし、法然上人は、今は念仏ばかりであり、また天台には碩学がおられるのではばかると断ります。その後もたびたび要請されましたが、ついにその機会もなく、仁和寺の御室はお亡くなりになりました。

菊田 水月

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