令和7年1月
天下和順
『無量寿経』
天下和順 日月清明 風雨以時 災厲不起 国豊民安 兵戈無用
崇徳興仁 務修禮譲
『無量寿経』に説かれる一節で、「天下は太平であり、日と月は清らかに明るく照らし、風と雨も時に応じ、災害と疫病も起きす、国は豊かに人々は安らかに過ごし、兵や武器を用いる争いごともなく、人々は徳を崇め仁を尊び、努め て礼儀と謙譲の道を修めます(『新簒浄土宗大辞典』)」ようにとの祈りを込めて、 本学の朝のおつとめでもお唱えしている言葉です。
昨年の「今月のことば( 二〇二四年一月)」では、二〇二二年のロシアによるウクライナ侵攻が終わっていないこと、そのうえ二〇二三年にはイスラエルとハマスの間で戦争状態に入ったことに言及しました。あれから一年が経って、ロシア軍にさらに別の国の軍隊が合流するようであるというニュ ー スが入っていますし、また中東地域ではレバノン、イランへとミサイルが飛び交い人々の命が失われていく地域が広がっています。
大学という人類の知的営みの中心を担うべき機関は、一体何ができるのでしようか?何をなすべきなのでしようか?
(仏教学部准教授 市川 定敬)
『法然上人の絵物語』第六巻
(画:別科修了生 菊田水月)
第八段 俊乗房重源、宋より浄土五祖像を将来する
法然上人は重源が宋に渡ることを知り、「宋で浄土五祖の影像を見つけて必す持ち帰ってほしい」と依頼した。重源が捜し求めたところ、一図に五人を描いた絵像を見つけることができた。このことで法然上人の洞察力の鋭さを知った重源は、ますます上人に帰依し念仏信仰を深くしたのである。京都二尊院に所蔵されてい る浄土五祖像は、重源が持ち帰ったものだと言われている。
菊田 水月